論壇: 再び来られるイエス 2019年4月21日
イエスの時代、ヘロデ・アグリッパ(41―44年)は、10m×5mもの巨大な石を集めてエルサレムの城壁工事を始めましたが、土台を据えただけで止めてしまい、「あの人は建て始めたが、完成することはできなかった。」とユダヤ人の嘲笑いを招きました。これはルカ福音書14:30に書かれていますので、この世の歴史が終わるまで語り告げられるでしょう。何事であれ、綿密な計算と計画をしないで始めた仕事が、途中で挫折することは恥ずかしいことです。
神様はこの世界を始められたとき、完成の青写真を持っておられました。私たちの限界ある頭脳では考えることのできない神様の永遠の計画ですが、私たちに必要な未来情報は与えられています。それは神の国の完成に至るこの世の歴史は、イエス・キリストの十字架と復活によって最終コーナーを回り、今は一直線にゴールを目がけているということです。神様の計画は必ず完成します。そしてゴールではイエスがもう一度来られ、最後の審判をされます。「すべての民族は悲しみ、人の子が大いなる力と栄光を帯びて天の雲に乗って来るのを見る。」(マタイ24:30)。「毒麦が集められて火で焼かれるように、世の終わりにもそうなるのだ。」(マタイ13:40)。このイエスが再び来られることを「再臨」と呼びます。審判の恐ろしさはこのとき起こる天変地変「太陽は暗くなり、月は光を放たず、星は空から落ち、天体は揺り動かされる。」(マタイ24:29)という言葉で表現されます。
イエスが行う審判はすべての人に及びます。例外はありません。しかし1942年、日本の政府はこの信仰、特にキリストの再臨による「千年王国」信仰に危険を感じました。治安維持法によって逮捕されたホーリネス教会の牧師たち124名(資料によっては96名)は、「すべての人が裁かれると言うが、天皇も裁かれるのか。」と尋問され、75人が起訴され、7名が獄死しました。
しかし日本キリスト教団の幹部たちは「天皇はこの世を支配しておられます。キリストは霊の世界の支配者です。両者の世界は別のものです。」と逃げてしまいました。後にこの人たちは「私一人が殉教するのは簡単である。しかし私がいなくなった後、教会と信徒は誰が守るのか。凶暴な狼から守ってやる者がいなければ、教会は滅びてしまう。」と言い訳しました。教会の頭(かしら)はキリストですから、いざとなったらキリストが面倒を見てくれるはずだとは考えが及ばなかったのです。
再び来られるイエス。その時期は教えられてはいません。「だから、目を覚ましていなさい。あなたがたは、その日、その時を知らないのだから。」(マタイ25:13)。イースターの今日、もう一度イエスの警告を覚えましょう。