論壇: 「老い」についての聖書の教え 1/16/2022
日本では65歳~74歳が前期高齢者で、75歳以上が後期高齢者と呼ばれます。今日本は高齢化が急速に進んでおり、内閣府の統計によれば、団塊の世代が75歳以上となる2025年には3,677万人に達するとのことです。教会の高齢化も例外ではありません。私たちの教会も若者が少なく、次の世代への信仰継承が急務です。
医療技術の少ない古代世界では多産多死で老人の数は少なかったでしょう。「人生の年月は70年程のもの、健やかな人が80年を数えても、得るところは労苦と災いにすぎない」(詩編90:10)のですが、「人生50年」というのも平均的な寿命でした。だからこそ長寿は神の賜物で老人は尊ばれたのです。老人福祉も介護保険もない古代世界ですが、大家族制ですから十戒の「父母を敬え」は当然の務めでした。聖書は老人への戒めと若者の義務をどのように教えているでしょうか。
「白髪の人の前では起立し、長老を尊び、あなたの神を畏れなさい」(レビ記19:32)
「知恵は老いた者と共にあり、分別は長く生きた者と共にあるというが」「日を重ねれば賢くなるというのではなく、老人になればふさわしい分別
ができるのでもない。」(ヨブ記12:12、32:9)
「貧しくても利口な少年の方が、老いて愚かになり忠告を入れなくなった
王よりも良い。」(コヘレト4:13)
「白髪は輝く冠。神に従う道に見いだされる。」(箴言16:31)
「主に望みをおく人は新たな力を得、鷲のように翼を張って上る。走って
も弱ることなく、歩いても疲れない。」(イザヤ40:31)
「わたしに聞け、ヤコブの家よ…あなたたちは生まれた時から負われ、胎
を出た時から担われてきた。同じように、わたしはあなたたちの老いる
日まで白髪になるまで背負っていこう。わたしはあなたたちを造った。
わたしが担い、背負い、救い出す。」(イザヤ46:3、4)
「イスラエルよ、お前は自分の神と出会う備えをせよ。」(アモス4:12)
「老人を叱ってはなりません。むしろ、自分の父親と思って諭しなさい…
身寄りのないやもめを大事にしてあげなさい。(しかし)やもめに子や
孫がいるならば、これらの者に、まず自分の家族を大切にし、親に恩返
しをすることを学ばせるべきです。」(Ⅰテモテ5:1―3)
「年老いた男には、節制し、品位を保ち、分別があり、信仰と愛と忍耐の
点で健全であるように勧めなさい。…年老いた女には…中傷せず、大酒
のとりこにならず…」(テトス2:2、3)