キリストの復活

論壇         キリストの復活        4/17/2022

ユダヤの暦では日が暮れると翌日になります。現代の日付変更は真夜中なので時間の感覚が異なります。ユダヤでは夜は時間の経過に入っていません。天地創造では、神は「闇を夜と呼ばれた」のですが、時間の経過では「夕べがあり、朝があった」と繰り返され(創世記1:5―31)、夜は生活には関係ないのです。「あなたが闇を置かれると夜になり、森の獣は皆、忍び出てくる。…太陽が輝き昇ると彼らは帰って行く。…人は仕事に出かけ、夕べまで働く」(詩編104:20―23)。獣と人間は舞台への出演時間が違うように定められたので、衝突することがなかったはずなのです。

さて、イエスの十字架までの経過と、その後の出来事を当時の曜日に当てはめて時系列にたどってみましょう。時は3月、除酵祭第1日です。

木曜日:太陽が沈む前、最後の晩餐 → 太陽が沈むとすぐ金曜日

金曜日:逮捕。徹夜で6回の裁判(ユダヤ側で3回、ローマ側で3回)

午前9時(原文「第3時」):十字架につけられる(マルコ15:25)

昼12時(原文「第6時」):「全地は暗くなり、それが3時まで続いた」

(マタイ27:45、マルコ15:33、ルカ23:44)

午後3時(原文「第9時」):息を引き取る。

夕方:議員ヨセフ、遺体を引き取り、十字架から降ろし、未使用の

自分所有の墓に葬った(ヨハネ福音書ではニコデモも参加)。

太陽が沈んで安息日(土曜日)が始まる。

土曜日:「祭司長たち…墓の番兵を要求」(マタイ27:62―66)

太陽が沈むと「週の初めの日(日曜日とは呼ばない)」始まる。

日曜日:「週の初めの日の明け方」すでに墓は空っぽ。

マリアたちは墓へ。大地震で墓の蓋の石が転がり(マタイ28:2)、

二人の天使がイエスの復活を告げる。イエスが婦人たちに現われる。

(マグダラのマリア、ヨハナ、ヤコブの母マリアなど)

クレオパ・マリア夫婦に現われる(ルカ24:18、ヨハネ19:25)。

イエスが言われた「三日目に復活する」の三日とは、金・土・日の足かけ三日のことです。死から復活までの正確な時間は分かりません。エルサレムの3月の日の出と日の入りはどちらも約6時ですから、墓の中の時間は27~39時間と見積もれます。これを短いと考えるか長いと考えるかは、その人のコモンセンスです。これは「死よ、お前の勝利はどこにあるのか」(Ⅰコリント15:55)と嘲られるほどの短時間です。イエスは死に支配されたままでおられることなどありえません(使徒言行録2:24)。さらにもっと積極的な意味がありました。それは「週の初めの日」を「主の日」にするためのベストなタイミングでした。

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