論壇: テフィリンとメズーザー 10/13/2019
「聞け、イスラエルよ。…今日わたしが命じるこれらの言葉を心に留め、子供たちに繰り返し教え、…語り聞かせなさい。更に、これをしるしとして自分の手に結び、覚えとして額に付け、あなたの家の戸口の柱にも門にも書き記しなさい。」(申命記6:4-9)
この文章の初めの「聞け」はヘブライ語で「シェマー」と言います。ユダヤ人は子供たちに幼い時からこの言葉を暗唱させてきました。「シェマー」と言えばユダヤ人は誰でも聖書のこの文章を思い出します。なぜならユダヤ人にはこの言葉は生活の中に見える形で入っているからです。彼らはここに命令されているとおりに、この文章が入った「聖句の入った小箱」(テフィリン、写真左側、マタイ23:5)を作って手と額に結び、家の玄関にも聖句の入った小箱「メズーザー」(写真右側)を打ち付けました。
テフィリン(額のテフィリンと腕のテフィリンの二つがセット)の中身は聖句を印刷した紙で、申命記6:4-9、11:13-21、出エジプト13:1-16)が書かれています。同じようにメズーザーの中身は申命記6:4-9、11:13-21が書かれた紙片です。ユダヤ人は家から出入りするたびにこのメズーザーに手を触れて祈るわけです。メズーザーには木製のもの、金属製のもの、装飾を施した高価な美しいものもあります。私がイスラエルへ行って驚いたのは、ホテルの各室のドアのどれにも木製のメズーザーが打ちつけてあったことです。
世界で子供の教育に最も熱心なのはユダヤ人だと言われます。これは申命記に記された神の永遠の命令を、真っ正直に受け止めて、そのとおりに子供たちに教育を施していることから来るのでしょう。私たちも、子供たちが聖書の御言葉に親しむよう、様々な努力や工夫が必要です。